腰痛体操 その1
2013.11.15
それでは、それぞれの症状に対して、どのようにアプローチしていけば、
症状が緩和され、改善していくでしょうか?
まずは!
◆患部にそれ以上の刺激を加えないこと
(実際は痛くて自然に避けてしまいますよね・・・)。
基本中の基本ですが、やはり、急に起こった場合、まず炎症があるかどうかです。
炎症があった場合、冷やさなくてはなりません。
ただ、腰の場合はあまり急激に冷やしてしまうと、内臓への負担もかかってしまいますから、
湿布薬や、市販の消炎剤を塗るのが適切です。
◆腫れは引いた、あるいは腫れていない場合・・・。
今度は温めて血行を良くすることになります。
お風呂に入っているときに楽になるようであれば、血行が良くなった方が痛みの緩和につながります。
つまり日常でも、温めてあげた方が血行促進になり回復につながるということです。
◆日常の急激な痛みの状態から、だいぶ経過しますと・・・。
回復期になります。
そこで、それぞれの症状に合わせた運動療法が出てまいります。
では、腰痛別に運動療法を紹介していきます(^^)。
☆基本的に体をそらして、比較的楽な場合・・・
上半身を両腕で持ち上げる、いわゆる「マッケンジー法」が効果的です。
下画像のように体をそらして、10~15秒こらえてから脱力します。
これを、数回繰り返します。
反対に体をそらすと痛む場合と、体を丸めた方が楽になる場合、
あおむけに寝て膝を抱えて、その場でコロコロと前後に転がります。
時間は90秒間、回数だと100回くらいやってみてください。
その際、できるだけ膝頭を近づける必要もあります(無理な場合は足首を組んでもいいです)。
朝と夜に2回、やっていただくといいようです。
この2つの方法は狭くなった腰椎の間隔を広げるという、効果があります。
☆次にご紹介しますのは、脊柱管狭窄症等の方のストレッチ法です。
実際には、腰さえ痛くなければどなたにもできるストレッチです。
①仰向けになります。
②片足を上げます。
③膝を伸ばします。
④伸ばした足底にタオルをひっかけて、引っ張ります。
すると、ふくらはぎや太ももの裏、おしりの筋肉にもツーンとした痛みを感じます。
これは筋肉が縮まっているのが原因ですから、伸ばしてもいいのです。
だいたい、片足各2分くらいストレッチすると効果的です。
☆最後におススメなのが、私も続けてやっていることなのですが、
究極のおしり締め運動です。
立ったままで、行います。
①イメージとして、自分のお尻の先端の骨(尾骨)から尻尾が生えているイメージを持ちます。
その尻尾を、足の間に挟み込むような感じです。
そうするとお尻の穴が閉まります。
②ただこれだけで、終わりではないです。
次に、締めたお尻の穴から、今度は狭いジーンズのジッパーを、
お腹を締めてお臍にのほうへ締めるイメージで引きあげます。
③さらにその時途中まで出たおしっこを我慢するイメージです。
これを短く息を吸ってながーく吐きながら、20秒頑張ります。
20秒休んで、同じ要領でお尻の穴を締めます。
これを繰り返すと、3分間で5回のおしり締め運動が完成です。
お尻の穴締め運動は、続けてやっていただくと、その場で効果が出る場合もあります。
痛みが軽減した方も、いらっしゃいます。
それはお尻を締めることで、
臀筋(お尻の筋肉)
の上側の筋肉に力が付き、背骨を支えやすくなるのだと思います。
また、思わぬ副産物として・・・
尿失禁にも効果がありますし、下腹部のポッコリ
にも効果があります。
いつでもどこでも、人にわからないようにできる体操ですので是非試してみてください。
ただし、一回やっただけでは効果が短いです。
ずっと続けていくと、気がつけば痛みを感じない体になっていきますよ。
体操方法がこれでは分からない!・・・という方は、
ぜひ、からだ美人の整体を受けに来ていただければ、ご指導いたします。
腰痛 その2
2013.05.12
前回の「腰痛 その1」に続き、今回は、「腰痛 その2」と題して、
「腰痛の種類と症状」について説明したいと思います。
その1でもお話しましたが、最終的な診断は、内科や整形外科のお医者さんにお任せするとして、
腰痛になる可能性がある内科的な疾患として、以下の要因があげられます。
①消化器系のもので、潰瘍や炎症のある場合。
②循環器系のもので、動脈瘤や動脈硬化症、血栓など。
③泌尿器系のもので、腎盂腎炎や、尿管結石、遊走腎など。
④婦人科系のもので、子宮筋腫や内膜症、卵巣嚢腫など。
⑤ガン等。
その1でも述べましたが、これらの場合は一刻も早くお医者さんの手当てを受けるべきです。
基本的に・・・。
吐き気や黄疸、血便や血尿などの非日常の症状がある場合は、
迷わず一旦診察を受けてください。
では、それ以外で、ある一定の姿勢をとったときに痛みが治まる、
いわゆる腰が原因で痛い場合には、以下のことをまずチェックします。
①痛みのきっかけになることがあったか
②どの部分がいたむのか
③どんな症状かであるか
・・・で、ある程度、どんな状態なのか判断できます。
◆寝返りが打てない → 椎骨の圧迫骨折の疑い
◆上体を前に倒すと痛む → 椎間板ヘルニアの可能性
◆上体を後ろにそらすと痛む → 脊椎分離症、すべり症、脊柱管狭窄症の可能性
◆長く歩くとしびれや痛みが出る(間欠跛行)→脊柱管狭窄症の可能性
・・・などです。
チェックしてみて、いかがでしたか?
当てはまる項目は、ありましたでしょうか?
さらに、ほかにも腰痛には、たくさんの病気があります。
それぞれの腰の病気の特徴を、以下にあげてみました。
◆脊椎圧迫骨折・・・事故や骨粗しょう症の人に起こりやすい。痛みを感じないこともあります。
◆椎間板ヘルニア・・・悪い姿勢や重労働、スポーツ、肥満などによる腰への負担で
椎間板の髄核という内部組織が飛び出し、神経根や馬尾神経を圧迫して坐骨神経痛を引き起こす。
◆脊柱管狭窄症・・・脊髄の通り道の脊柱管が狭くなり、神経が圧迫、阻害されておこる。
◆脊椎分離症・・・椎弓(背骨の羽根の部分)が負担に耐えられず、折れてしまう症状。
◆脊椎すべり症・・・腰に重い負担がかかった結果、椎骨が前方にずれてしまうこと。
◆変形性脊椎症→長期間腰に負担をかけておこる椎間板・椎骨の変形。
◆仙腸関節性腰痛→仙腸関節にわずかなずれが起こり、腰、お尻、足の付け根に痛みがでる。
◆筋・筋膜性腰痛→同じ姿勢や動作を長時間続けると、筋肉や筋膜にコリが起こる。
◆ギックリ腰→腰を無理に動かしたりしたときに起こる。筋肉の損傷・肉離れの状態。
◆姿勢性腰痛→同じ姿勢や悪い姿勢を長く続けると血行が悪くなり起こる。
◆心因性腰痛→元々腰の弱い人がストレスを受けると起こる。
等があります。
いずれも、整形外科のお医者さんの診断が必要です。
これは、私個人の意見ですが、腰痛の種類は大きく分けて3通りあると思われます。
①姿勢性腰痛や筋・筋膜性腰痛、ギックリ腰のように筋肉レベルで起こる腰痛
②分離症、すべり症、椎間板ヘルニアのようにどちらかというと脊椎の変位による障害
③脊椎圧迫骨折や、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症のように
長年かかって関節自体が変形し、神経を圧迫、刺激してしまうような障害
①は、確かに痛いですが急性です。
②③になればなるほど、痛みも鈍痛になり慢性といわれるものです。
また、ギックリ腰、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症は、それぞれ楽になる姿勢が違います。
次回はそれを踏まえて、それぞれの腰痛の症状への対処法についてお話したいと思います。
五月病
2013.05.07
今回は、少し整体から離れた視点で『五月病』にスポットを当ててみました。
五月病とは・・・
一般に、大学に入学したての新入生や新社会人等に見られる、
新しい環境に適応できない精神的な症状の総称といわれています。
今まで抱いていたイメージとかけ離れたり、
生活環境が大きく変わった現実に向かい合うとき、
「こんなはずではなかった!」
「なぜ? うまくいかないのだろう」
「頑張っているのに・・・」
というような思いが先に立ちます。
新しい環境に少しだけ慣れてきた、GWのころに発症が多いと言われています。
今までの緊張がプツッと切れて・・・。
やる気が出なくなったり、頭が痛くなったり、からだが思うように動かなくなったり・・・
そんな症状が現れたりします。
本人は気が付かないことも多く、不安や焦りを感じる場合もあるようです。
もう少し進んでしまうと、抑うつ状態になったり、不眠症になったりすることもあるようです。
病院で診断を受けると、『適応障害』とか、『うつ』とか診断されます。
以前は、「真面目」「内気」「神経質」「几帳面」「完ぺき主義」のような人がなるといわれていましたが、
今ではどんな人でもなりうる要素があるといわれています。
ただ、ほうっておくと本当の『うつ』になってしまうとも言われています。
どちらにしても早めの対応が必要です。
原因としては、次のようなものが考えられます。
○初めての1人暮らしや時間の使い方の変化など、新しい環境についていけない。
○新しい人間関係が思うように行かない。
○入試・入社といった大きな目標を達成した開放感がある。
○大きな目標を達成したことにより、次の目標を見失ったり、混乱したりする。
○想像していた新生活と現実のギャップについていけない。
学校や職場など、環境が絶えず変化する現代社会は、
「自分には精神疾患なんて関係ない!」
とは今や誰にも言い切れない時代です。
自分自身はもちろん、周りの人がつらそうな様子をしていないか、たえず注意してみてあげましょう。
以下に対応方法について詳しく説明してあるサイトがあります。
ご覧になってください
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0905/05/news006.html
ちなみに、東洋医学でいう『気』 をあげる、簡単な方法をご紹介します。
『気』の流れを利用し、気持ちをUPさせたり、COOL DOWNさせたりする運動です。
人間の気の流れは・・・
・・・と、このように『任脈』から『督脈』へと流れています。
気持ちが落ち込んでいる時、気持ちをUPさせるために、
「気」の流れに合わせて腕を前から後ろに腕回しをしてみてください。
こんな感じです。
その直後に握手をする(相手は誰でもOK)と、とても力が強くなっているのがわかります。
逆に、「眠りたい」「休みたい」時には、気に流れに逆らって腕を後ろから前に回します。
この直後、握手をすると力が弱くなっているのがわかります。
こんな単純なことですが、ご自分の「気」持ちをコントロールしながら、
「五月」を乗り切ってみてはいかがでしょうか?
※もちろん、病的な場合は専門機関に相談に行かれるのがBESTだと思います。
腰の痛み その1
2012.11.13
「腰がだるい~」「腰が痛いっ!!!」
当店に来店される方の7割のお客様が、「腰痛」を訴えます。
特に季節の変わりめには、腰痛を悪化させ「ギックリ腰」で来店される方が多いです。
では、人はなぜ、「腰痛」になるのでしょうか?
元来、「腰痛」は、人類が2足歩行になったときから始まったと言われています。
それまで横向きであった脊椎が縦になったことで、腰に重力が直接かかるようになってしまったのです。
すると、徐々に時間の経過とともに、骨の間にある『椎間板』といわれるクッションが膨らんで、
外側に張り出してくるのです。
そこで、いろいろなトラブルが発生するのです。
ただ、腰痛が起こったときに真っ先に考えなければならないのは、
「この痛みはどこからくるのか?」ということです。
①内臓の異常からくるものなのか?
②骨や筋肉の異常からくるものなのか?
・・・ということです。
①の場合はすぐに内科に行かなくてはなりません。
①の問題ではないということになれば、②の問題として捉えることができます。
私自身の話になりますが・・・。
8年位前、外出中にシクシクとお腹と腰が痛み始めました。
目的地に着いたときには激しい痛みになっていて、便意を考え、すぐにトイレに駆け込みましたが、
何も変化がなく、また車で家まで帰りました。
その後も、激しい(のたうちまわるほどの)痛みが続きました。
いつもの腰痛なら横になり、
一定の角度を取れば痛みが治まることを知っていましたので、そのようにやってみましたが、
まったく効果がありません。
ほぼそのまま夜中8時間ほど、痛みに耐え続けました。
途中でシップなどを貼ってみたところ、少しだけ楽になりました。
意識がなくなったのは、寝てしまったからなのかどうかは分かりません。
朝、気がついたとき、あら不思議!痛みがなくなっていました。
動けるようになったので、総合病院にいき事情を話したところ、
「多分結石が動いたのでしょう」
ということで、
いろいろな検査をしてもらいました。
結果、尿路結石であった可能性が高かったのですが、石の存在は確認できませんでした。
このように、単なる腰痛と捉えてしまったので、病院にいくのが遅くなってしまったのです。
私の場合は、結石くらいで幸運だったのですが、
本当に内臓疾患であったり癌や、感染症だったりしたら、一刻を争うことにもなりかねません。
(ちなみに膵炎の場合は、丸まったほうが楽になるというのが特徴だそうです)
そういうわけで、まず大切なのは・・・。
生命に直結する病状なのか、
骨や筋肉の故障に基づくものなのか、速やかに、的確に判断する!
・・・ことです。
前述しましたが、
内臓に関する疾患が疑われるのは、どんな姿勢をとっても疼痛がある
・・・のです。
ある一定の姿勢で痛みがおさまっている場合は、骨や筋肉の異常からくるものだと判断されます。
それでは、次回は腰痛の症状に入っていきたいと思います。
炎症って何?
2012.08.05
どこかケガをしたり、ぶつけたり、捻挫したりすると、
すぐ「腫れてる?」とか、「あ~炎症してるね」と言われますね。
「炎症してるときは、触るとよくないね」とも言われますが、炎症っていったいなんでしょうか?
炎症ってそんなに悪いものなんでしょうか?
今回は、それを分かりやすく検証してみたいと思います。
仮に「擦り傷」を例に考えてみましょう。
この場合のケガは、皮膚をいため、毛細血管も裂傷して血がにじんできます。
最初の内は、鮮血が傷口からどっと出てきます。
当然、毛細血管の裂傷がありますから、切れているところから血が出てくるわけですが、
からだの中では、もうすでに再生の作業が始まっているのです。
ある程度、表面の血が流れると、どろどろした状態になり、徐々に「かさぶた」になってきます。
傷の部分が、ズキンズキンとうずくようになってきます。
これは、からだが傷口をふさぐように血液内の成分が働いて表面に膜を作っているのです。
さらに、血液中の成分が傷口に付着している細菌を中に入ってこないように防御しているのです。
これを「免疫反応」といいます。
その後たくさんの血液や、細胞がかなりの量でそこに集まり、傷口の修復を始めます。
かさぶたのまわりの細胞が増えていき、ぶ厚くなります。
そこから1週間くらいたつと、かさぶたの部分がとれてきれいな皮膚が再生しています。
この一連の流れの中で、
「止血→防御→修復」の際に熱を持って膨らんでいるものを「炎症」と呼んでいます。
炎症の徴候は5つといわれています。
①発赤 ②熱感 ③腫脹 ④疼痛 ⑤機能障害です。
この状況は、からだの防衛機能で免疫機能なのです。
以上の症状で、からだを守ってくれているのです。
ですから、炎症反応をそんなに悪者扱いしなくてもよいのです。
ただ、炎症が強くなりすぎると、痛み物質が増えることにもなり、諸症状が辛くなり耐えられなくなるのです。
そこで、出来るだけ速やかにこの状況をやり過ごすため、
炎症中には触らなかったり、冷やしたりする行為をするわけです。
これまで述べたように「炎症」とはからだのありがたい機能の一つですから、むやみに怖がったり、否定する必要はないのです。
ただし、例外もあります。
炎症が3~7日であれば急性炎症であり、7~8日以上の炎症は慢性炎症といいます。
慢性炎症は、先ほどのつらい状況が長期間続くわけですから、今度は自身の体力も消耗してきます。
同時に炎症が続いているのは、からだの防衛機能が外敵に対して100%優位になってはいないことを表わしています。
また、そのからだの免疫機能が自身のからだを外的とみなして攻撃してくる病気もあります。
その一例がリウマチであったり、膠原病といわれる病気です。
原因はいまだに分っていないのが実情です。
以上のように、炎症とはなかなか難しい一面も持っていますが、
基本的には、「私たちの大切なからだを守ってくれる大切な機能のひとつである」と認識していただければ幸いです。